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絵本納品までの過程

この度、光陽メディアは絵本『フワフワ』の制作を担当させて頂きました。
『フワフワ』とは、文:おおなり修司さん、絵:高畠 那生さんが描かれ、絵本館様より2017年4月に出版された絵本です。

フワフワ

とは…?

ダチョウの羽根がフワフワ舞うと、予測不能のノンストップ絵本が始まります!

フワフワと舞うダチョウの羽根
それが、すべての始まりだった!
風に乗ってフワフワ~
風に流されフワフワ~

フワフワと舞う
ダチョウの羽根が巻き起こす
とんでもない珍事件!
ああっ、あんなものまでフワフワと!

プリンティングコーディネーターもレタッチ中、動物たちの表情に思わず吹き出してしまう場面もあり、楽しく作業をさせていただきました。

画像ビジネス推進室がこのように愉快な雰囲気になることはなかなかありません。
特に何度見てもカバのくしゃみの場面は笑いが止まらなくなります。
絵本から飛び出してきそうな、ユーモラスな動物たちの表情に注目です。

また絵本館様より、面付けした際の余白部分に一筆箋を配置できないかというご要望がありました。
この作業も絵本館様と相談し、ワクワクしながら取り組ませていただきました。
一筆箋でもダチョウの羽がフワフワ?と舞っていますので、ここも注目して見てほしいポイントです。

レタッチ
原画をデジタルデータとして取り込み、そのデータを画家さんなどの表現者のイメージに近づけるように調整・修正すること。

プリンティングコーディネーターから一言

『フワフワ』という作品は濁りのない鮮やかなインキを使用しているため、ダチョウの足やカバの紫などが美しく再現されています。


また、ダチョウの黒い部分の色の違いや、動物たちが浸かっている温泉の薄い水色が綺麗に印刷されることに注意しながら製版しました。

プリンティングコーディネーター
原画を印刷データ(CMYK)に変換すると、鮮やかさがなくなるうえに、紙やインキによって思い通りに色再現ができません。
そのような問題を解決するのがプリンティングコーディネーターです。
スキャニングした画像を原画に近い色に調整するだけでなく、お客様、営業、印刷現場のすべての人とコミュニケーションをとり、お客様のイメージにあった仕上がりに近づけていきます。

絵本が納品されるまで

1.調査・情報収集

新刊絵本企画情報が担当営業から連携されると、
絵本の画家様の過去の作品や情報を参考に、
入稿前から絵柄や色味の傾向を調査します。

2.原画入稿

プリンティングコーディネーターが営業に同行し、色、用紙、絵柄のポイントを編集担当者様や画家様と仕上がりイメージについて打ち合わせをします。

専用ソフトで原画の解析を行い、原画の色にあったインキのご提案をさせていただきます。
この部分を念入りに行うことで、初校の段階で仕上がりに近いデータができるため、後工程もスムーズに!

実際に現場スタッフもお客様とお話させていただくことで、お客様の絵本に対する情熱がこちらにもずんっと伝わります。
「私たちもそれに応えたい」、「そのためにはどうすれば良いか」をこの段階で綿密に打ち合わせします。

インキ
インキ会社と研究を重ねた絵本専用インキ『JBCP』をご提案させていただいています。

3.社内打ち合わせ

営業部、制作部、管理部、印刷部で絵本会議を行います。
ここで原画入稿時にお客様から伺ったポイントを共有します。

金銭面や工程はもちろん考慮すべきですが、お客様の要望にあった仕上がりにするために、「もっとこうした方が良い!」など、お互いの意見がぶつかる熱い場面もあります。

また、どの部署にも伝達に抜けや漏れがなく、より効率よく会議が進められるように会議自体の見直しをすることもあります。

会議の内容や原画の色の注意点、画家様の情報は会議後、絵本に関わる全ての社員に共有されます。

4.画像ビジネス推進室へ

お預かりした原画はデジタルカメラ(3300万画素)で撮影し、印刷用データ(CMYK)に変換していきます。(大きな原画も撮影可能です)

印刷データをより原画の色に近づけていくために、調整を行なっていきます。
調整されたデータはDTP、CTPを通り、色校正出稿となります。

原画が入稿し、原画を開く瞬間が最高に幸せです。

スキャンの作業に入る前に、手にとって一枚一枚じっくりと眺めてしまいます。
原画を持つ指から画家様の気持ちが伝わってきて、あったかい気持ちになるのです。

5.色校正出稿

出稿の際には色校正を確認していただき、印刷前に「安心」「納得」していただけるように編集担当者様と打ち合わせを行います。

テスト色校の際は、用紙やインキのパターンをいくつか変えたものを、お客様にお持ちする場合もあります。
紙やインキで悩んでいるお客様の少しでもお手伝いができればと考えております。

6.工場にて印刷

校了後、プリンティングコーディネーターが印刷現場に立ち会い、1台1台丁寧に色のチェックを行いながら印刷します。

刷り上がったものはその後、製本加工され、お客様の元へ納品します。

工場が埼玉県から千葉県の柏に移転します。今後ともよろしくおねがいいたします。

7.検証

刷り上がったものに関して、お客様からの感想を伺い、社内打ち合わせの際に話し合います。

現状に満足せず、より早く、より原画に近く美しい絵本作りにつなげます。

お客様からのご提案から、新たな発見があり、私たち自身も勉強させていただくことがあります。

「日々勉強」「日々挑戦」という気持ちで、一冊でも多くの方に手にとっていただけるような絵本を作っていきたいと思います。